ストーリー(キングダムハーツ COM)

GBA『キングダムハーツ COM[チェイン オブ メモリーズ]』、PS2『キングダムハーツ Re:COM』のあらすじ・ストーリー。

キングダムハーツ COM[チェイン オブ メモリーズ] ソラ編 ストーリー

【忘却の城へ】

ソラ・ドナルド・グーフィーが王様の手紙をくわえたプルートを追っていると夜になった。ソラ達は眠っていた。
途中で目覚めたソラが星空を見ていると、黒コートの男マールーシャがソラに話しかけてきた。

そのころ、忘却の城という場所の一室でナミネという少女が絵を描いていた。

マールーシャはある機関のNo.11の存在だった。マールーシャに導かれたのか、ソラ達は忘却の城にたどり着いた。怪しい城だったが、ソラ達全員が大切な友達が城にいるような不思議な気分だった。

【忘却の城 1階】

ソラ達は忘却の城に入った瞬間、魔法をすべて忘れてしまった。しかし、忘れていくのはそれだけではないらしい。忘却の城は、「手に入れるかわりに失い、失うかわりに手に入れる」という城。
黒コートのマールーシャは、ソラの記憶から作り出したカードをソラに渡した。カードを使うと、ソラの記憶で作った世界を進むことができる。ソラ達はこれから、ソラの記憶を元に『キングダムハーツ』で訪れた世界の幻を進んでいくことになる。
最初の世界に進むと、そこはトラヴァースタウンだった。ソラはレオンに話しかけるが、レオンはソラのことを知らないという。ユフィやエアリスもソラ達と初対面だと言うが、皆ソラ・ドナルド・グーフィーという名前だけは覚えているという奇妙な状況だった。
エアリスいわく、ソラの心にあるレオン達の記憶が影響してレオン達はソラ達の名前を知っているんだという。ソラの記憶はとても強い力を持っている。このトラヴァースタウンを作り出したのはソラの記憶で、トラヴァースタウンもレオン達も幻らしい。忘却の城では、この先たくさんの幻に出会うことになる。
忘却の城1階の終わりまで行くと、先程とは別な黒コートの男に出会う。男は機関のNo.8アクセル。アクセルはソラと戦って力を試した後、ソラの記憶から作り出したカードをソラに渡した。

【忘却の城 2階】

ソラ達は、『キングダムハーツ』でソラがカイリを助けるために一時ハートレスになったことを忘れかけていた。ハートレスになったことはまだ覚えていたが、ホロウバスティオンという地名を思い出せない。ジミニーメモを見て思い出そうとすると、ジミニーが大事に持っていたはずのメモが全て白紙になっていた。忘却の城では、記憶だけでなくジミニーメモの記録も消えてしまうと分かる。

忘却の城の一室では、ナミネが絵を描き続けている。

【忘却の城 3階】

ソラ達は、「手に入れるかわりに失い、失うかわりに手に入れる」ものは記憶だと気づいた。忘却の城の先に進むと記憶がどんどん失われていく。ドナルドは、記憶を失うのは困るので帰ろうと提案する。一方グーフィーやソラは大丈夫だという。ソラはハートレスになったときグーフィーやドナルドを覚えていたので、記憶を失っても友達のことだけは忘れないだろうと。
ソラ達は旅の目的が「王様とリクを探す」ことだと確認し、覚えていたことに安心する。

忘却の城のどこかの部屋では、機関に所属する黒コートの人物が話していた。人物は機関No.8アクセルとNo.12ラクシーヌ。アクセルはソラの心の力に興味があった。通常の人間はハートレス化すると闇に支配されて意思をなくすが、ソラは意思をなくさなかった。ソラの心の強さの秘密は、彼ら機関が求める心の秘密と関係あるらしい。

【忘却の城 4階】

友達のことは忘れなくても、他のことを少しずつ忘れているのかもと心配するドナルド。一方グーフィーやソラは楽観的で、本当に大事なことだけは忘れないという。
ソラはカイリから預かったサラサ貝のお守りを見せた。カイリにお守りを返すという約束は絶対に忘れないから、カイリのことも忘れないと言う。そのとき、ソラの記憶の中でカイリが別な少女ナミネの姿に変わった。ナミネのことを知らず、誰だろうと不思議がるソラ。ソラは知らないはずのナミネのことを思い出そうとする。

忘却の城の一室では、ナミネが絵を描き続けている。

【忘却の城 5階】

デスティニーアイランドで、カイリやリクの他にもう1人仲が良かった少女がいたことを思い出したソラ。ソラ・リク・カイリ・少女の4人で一緒に遊んだと言い出す。ソラが小さかったころにその少女はいなくなってしまい、ソラは忘れていたらしい。
どうしてソラが少女を急に思い出したのかと、ソラ達は不思議がる。ソラは少女の名前を思い出そうとするが、思い出せない。グーフィーは、忘却の城を進むうちに思い出してきたのだから、先に進めば名前も思い出せるかもとソラを勇気づける。
忘却の城を進むと、ソラは少女のことをさらに思い出す。絵が上手で、いつも海の絵を描いていたこと。友達の絵も描いてくれて、ソラとリクどちらの絵を描いてもらうかでリクと喧嘩したこと。少女がいなくなったとき少し泣いたこと。それでも、少女の名前は思い出せなかった。
他のことの記憶を失いつつも、そのかわりに少女の記憶を手に入れていくソラ。

忘却の城のどこかの部屋で、機関のラクシーヌとアクセルが話していた。アクセルはソラ達のところに行こうとするが、ラクシーヌは自分が行くと引き止める。アクセルはラクシーヌにソラの記憶のカードを渡した。
ソラは、アクセル達が機関に反逆して支配するためのカギらしい。

【忘却の城 6階】

機関の黒コートの女、ラクシーヌがソラ達の前に現れた。ソラが少女の名前をまだ思い出せていないと知ったら少女が悲しむだろう、とラクシーヌが言う。少女を忘却の城の奥に捕らえているのはラクシーヌ達らしい。
ラクシーヌが側を通るとソラが倒れ、お守りを落とした。サラサ貝のお守りは、いつの間にかパオプの実のお守りに変化していた。ソラはお守りをくれた少女がナミネだと思い出すが、カイリのことを忘れてしまう。
ラクシーヌはソラと戦って負けたふりをし、ソラの記憶から作り出したカードを渡した。

忘却の城のどこかの部屋にラクシーヌが戻ると、機関のNo.4ヴィクセンが現れた。ヴィクセンは機関のNo.5レクセウス・No.6ゼクシオンと共に城の地下の管理を担当していたが、アクセルとラクシーヌを手助けに地上階に来たのだ。
研究者であるヴィクセンは、忘却の城の地下で入手したリクのデータから偽物のリク=レプリカを作り出した。ヴィクセンはソラとリク=レプリカを実験的に戦わせ、リク=レプリカの性能を試したいようだ。アクセルはヴィクセンにソラの記憶のカードを渡した。

【忘却の城 7階】

ソラはナミネのことを思い出し、ナミネを助けるために城の奥へと急ぐ。

ソラ達は、ヴィクセンが送り込んだリク=レプリカと遭遇した。偽物だと知らないソラは駆け寄るが、リク=レプリカの態度は冷たい。リク=レプリカは、ナミネはソラに会いたがっていない、ナミネを守るのは俺だという。
ソラがリク=レプリカを倒すと、リク=レプリカは逃げていった。偽物だと知らないグーフィーは、リクに何があったのか不思議がる。

【忘却の城 8階】

リクの態度がおかしかったことで心配するソラ。リクの心に何があったのか、リクに嫌われたのかと悩む。ジミニーは、リクは忘却の城でソラと仲が良かった記憶をなくしてしまったのではないかという。落ち込んでいるソラをジミニー・グーフィー・ドナルドが励ましてくれた。

さらに進むと、再びリク=レプリカが待っていた。ソラはまだ、リクが偽物であると知らない。
リク=レプリカは、もうデスティニーアイランドには帰らないという。島の友達の顔を覚えているかと聞かれ、覚えていないことに気がつくソラ。リク=レプリカいわく、忘却の城で過ごすうちにどうでもいいことを忘れ、ナミネを守るという本当に大切なことを思い出せるらしい。ソラは、リクと戦ったら昔のことを思い出すかもと戦うことにする。
ソラがリク=レプリカに勝利しても、2人とも何も思い出さなかった。負けたリク=レプリカは逃げていった。それでもソラは、リクを必ず助けてやると心に誓う。

忘却の城のどこかの部屋に、アクセルとナミネがいた。ナミネは他にできることがあるのではないかと問うアクセル。

【忘却の城 9階】

ソラがリクのことで悩んでいると、ドナルドとグーフィーが励ましてくれた。このとき、カイリのことが思い出せなくなったとドナルドが気づく。全員の記憶が怪しくなってきた。城の下階でソラ・リク・カイリ・ナミネの4人だったはずの幼なじみの記憶が、いつの間にかソラ・リク・ナミネの3人のものになっていた。

忘却の城のどこかの部屋で、アクセル・ラクシーヌ・ヴィクセンが話していた。実験体のリク=レプリカが失踪したことで、それを作り出したヴィクセンが責められる。
機関No.11のマールーシャが現れ、ヴィクセンの作戦が失敗したことを機関指導者に報告すると告げた。怯えるヴィクセンを見て、マールーシャはヴィクセンに選択を与える。作戦失敗を指導者に報告されるか、ヴィクセン自身の手でソラを消すか。
ヴィクセンはソラを消すために部屋から消えた。

【忘却の城 10階】

たくさんの記憶を失いつつ忘却の城を登るソラ達。ジミニーは今からでも遅くないから引き返そうと言うが、ソラは約束があるから引き返せないという。約束とは、ソラが小さいころにナミネを守ると言ったこと。ソラはこのことをずっと忘れていたが、今になって思い出した。

ソラ達の前にヴィクセンが現れる。ヴィクセンはリクに会わせてやった貸しを返してもらうといい、ソラと戦う。ヴィクセンは戦いながらソラの記憶を探り、ソラの裏の記憶から作ったカードを渡した。

ソラの裏の記憶のカードで進んだ世界はトワイライトタウン。ソラの記憶から作ったカードで進んだ今までの世界は、当然既に知っている場所ばかりだった。しかし、トワイライトタウンのことをソラは知らない。忘却の城の力で忘れてしまったのかもと不安になるジミニー達。
ソラは大丈夫と言って、ナミネがくれたパオプの実のお守りを見せた。ソラは流れ星を怖がっていたナミネを思い出し、流れ星からナミネを守ると約束してお守りをもらったと話す。

トワイライトタウンを進むうちに、ソラは謎のなつかしい気持ちにとらわれていた。このなつかしい気持ちはナミネを思い出したときとは異なるらしい。
ヴィクセンが現れ、「トワイライトタウンのなつかしさとナミネの思い出、真実はどちらか」と問う。ソラはナミネだと即答するが、ヴィクセンはソラの心がトワイライトタウンを知っているという。ナミネに作られた記憶の鎖に縛られて自分の心を信じないソラは、もはや勇者ではなく、リクと同様に存在する価値がないとヴィクセンは告げる。
ソラ達はヴィクセンと戦って勝利した。負けたヴィクセンは「ナミネにひかれればやがてマールーシャの道具だ」と言うが、聞き返したソラに答える前にアクセルに殺される。

忘却の城のどこかの部屋に、アクセルが戻った。マールーシャ・ラクシーヌ・アクセルの3人は、反逆して機関を支配する計画らしい。ナミネはもうすぐソラに会えると聞いて少し喜ぶが、困惑している。

【忘却の城 11階】

ソラの前に、リク=レプリカが現れた。リク=レプリカは、流れ星からナミネを守る約束をしてお守りをもらった話をする。ソラとリク=レプリカが同じ記憶を持っているので、どちらが本当にナミネと約束したのか分からなくなってくる。リク=レプリカはパオプの実のお守りをソラに見せるが、それはソラが持っているお守りと同じだった。
ソラはリク=レプリカと戦って勝利した。リク=レプリカはお守りを落として逃げていく。落としたお守りを拾うと、カードに変わってしまった。
ソラとリクの2人が、全く同じナミネとの思い出を持っているのは変だというドナルド。どちらかの記憶が間違っているという。ソラは記憶が間違っていると言われて怒り、ナミネに会うと言って一人で走っていってしまう。

忘却の城のどこかの部屋で、アクセルとナミネが話していた。アクセルは、ソラを救えるのはナミネだけだと言い出す。そしてナミネを部屋から逃がし、「地味に立ち回ったかいがあった」と謎の独り言。

【忘却の城 12階】

リク=レプリカが落としたお守りからできたのは、デスティニーアイランドのカードだった。ソラはカードを使ってデスティニーアイランドの世界に行く。

ソラがデスティニーアイランドでナミネと遊んだことを思い出していると、島で遊んでいる友達が現れた。ソラは彼らを知っている気がするが、名前を思い出せない。会話からワッカ・セルフィ・ティーダという名前だと分かり、ソラは思い出したような気分になる。
ワッカ・セルフィ・ティーダが去った後、リクが現れて笑顔でソラに話しかけてきた。ソラはリクのことを辛うじて覚えていた。リクがもう操られていないのか心配するが、このリクは本物ではなく、ソラ自身の記憶の中のものだと気づく。
そのとき地震が起こり、リクは皆に知らせるといって去った。リクはソラに「アイツを守るのがお前の役目」といって去る。

ソラは島の端にいたナミネを発見した。2人は再会を喜ぶが、ナミネは自分が間違っていたと謝る。一人で淋しかったためソラの心に呼びかけて来てもらったが、それは間違いだったと。
ナミネはソラに、会いたかったのは本当にナミネなのかを尋ねる。ソラはそうだと言い、ナミネがくれたといってパオプの実のお守りを出す。ナミネは、ソラのいちばん大切な人をもう一度思い浮かべてと言う。すると、パオプの実のお守りがサラサ貝のお守りに戻り、ナミネの顔はカイリの顔に変わった。

カイリの顔を思い出しても、名前を思い出せないソラ。記憶が怪しくなったソラは、大切な人だったのはナミネではないのかと聞く。
そのときリク=レプリカが現れ、ソラの記憶はデタラメだと言った。リク=レプリカはソラと戦って負けたふりをし、ソラの隙をついて殺そうとする。ソラが殺されそうになったとき、リク=レプリカは急に床に倒れた。
ラクシーヌが現れ、倒れているリクはただの人形だという。リク=レプリカは作りたてで、リクの偽物にナミネとの思い出を植えつけたもの。ナミネの力は、人の心に踏み込んで記憶をいじり、偽の思い出を作り出すことだった。ナミネは忘却の城で、リク=レプリカとソラの記憶を書き変えていたのだ。ラクシーヌ達はナミネの力を利用し、キーブレードの勇者であるソラを操ろうという計画だった。しかしアクセルが裏切ってナミネを逃がし、ソラに本当のことを伝えようとしたため計画は失敗に終わっていた。
ラクシーヌは、ソラとナミネは赤の他人だという。しかしソラは、嘘の思い出だとしてもナミネを守るという約束は本当だといってラクシーヌと戦う。ドナルド・グーフィーが助けに来てくれ、3人でラクシーヌを倒した。負けたラクシーヌは消滅した。

ナミネは、ソラの思い出を嘘の記憶にすりかえたことをもう一度謝った。忘却の城でソラが思い出したことは、全てナミネが作り出した嘘の記憶だった。ナミネがデスティニーアイランドにいたことや、ナミネがソラの友達で、大切な人だったことも。
ナミネはマールーシャに脅されてソラを騙していた。それでもソラは怒る気になれなかった。頭では嘘だと分かっている記憶が、ソラの心に焼きついていた。ナミネが泣かないように守るという約束も、嘘だと分かっていても覚えていた。だからナミネが笑ってくれた方が嬉しいという。
ナミネは、忘却の城13階に行けば記憶を元に戻せると言った。しかし、13階にはマールーシャがいる。ソラ達はマールーシャと戦うために13階に向かう。ナミネは倒れているリク=レプリカの世話をするために残った。

【忘却の城 13階】

ソラはサラサ貝のお守りを出し、本当に大切な人が誰かを思い出そうとした。しかしカイリのことは忘れたままで、ナミネしか思い出せなかった。ドナルドとグーフィーは、カイリどころか王様のことを忘れてしまっていた。記憶が消えることを怖がるドナルドだったが、グーフィーが皆で友達の約束をしようという。もしお互いを忘れてしまっても、ソラ・ドナルド・グーフィーは友達だと約束した。

忘却の城のホールで、マールーシャとアクセルが話していた。マールーシャの計画では、ナミネの力でソラを利用し、機関に反逆して乗っ取るつもりだった。アクセルがナミネを逃がしたせいで計画が失敗したと、マールーシャはアクセルを責めた。アクセルはマールーシャと共に機関に反逆するふりをしながら、マールーシャ達の行動を監視していたのだ。機関を裏切ったマールーシャを始末するといって、アクセルは武器をとる。

マールーシャはナミネを呼び寄せ、人質にして盾にした。アクセルはマールーシャと一緒にナミネも消すというが、ソラが現れてアクセルを倒す。アクセルは「お前を助けたかいがあった」と謎の言葉を残して消えた。

ソラ達が奥に進むと、マールーシャと人質のナミネがいた。マールーシャは、ナミネにソラの記憶を消せという。ナミネの力で作り出した記憶を消せば、ソラの記憶と心は壊れてしまう。
マールーシャの目的はキーブレード。ソラの心をここで壊し、その後でゆっくりとソラを自分のしもべに作り直すつもりらしい。
マールーシャの命令に、ナミネは従わなかった。ナミネの嘘の記憶をソラは許してくれたから、ソラの心を壊すことはできないと。一方ソラは、記憶を消されてもナミネは必ず守るから、記憶を消してしまってもいいという。

そのときリク=レプリカが現れた。ソラがレプリカを「リク」と呼ぶと、リク=レプリカはただの偽物だと否定した。リク=レプリカは体も心も偽物だが、ナミネを守るという約束をした記憶は嘘だとしても本物だった。ソラ達はマールーシャと戦って勝利したが、このマールーシャはダミーだった。

リク=レプリカにナミネを預け、ソラ達は扉の奥へ進んだ。巨大な機械を操るマールーシャを倒し、再び扉から出る。キーブレードで扉に鍵をかけると、扉は消えた。

ソラ達はナミネとリク=レプリカのところに戻った。リク=レプリカは自分が全て偽物だと理解していたが、最後にソラの優しさを感じてどこかに去った。

ナミネは、ソラ達の記憶を元に戻してくれるという。ただし記憶を戻すと、忘却の城のことはナミネも含め忘れてしまう。ナミネのことを忘れたくなければ、元の記憶を諦めるしかない。
本当の思い出と、忘却の城での思い出の選択で、ソラは本当の思い出を選んだ。ナミネは少し悲しそうに了解した。
忘却の城の装置で眠ってから目覚めると、ナミネの力で記憶が戻っているらしい。時間がかかるらしいが、ナミネに任せることにした。目覚めたらナミネのことを忘れてしまっているので、記憶を戻してもらったお礼ができない。ジミニーメモに「ナミネにお礼を言う」と記しておいた。
ソラとナミネは、ソラが目覚めたら本当に友達になろうと約束した。約束は忘れてしまうが、約束した思い出は心のどこかに残るという。
ソラがサラサ貝のお守りを出すと、カイリを思い出した。ナミネがだんだん遠ざかっていく。消えていく思い出と再生する思い出の中で、ソラは夢を見ていた。

キングダムハーツ COM[チェイン オブ メモリーズ] リク編 Reverse/Rebirth ストーリー

【忘却の城へ】

リクは光と闇の狭間で眠っていた。リクの記憶は、『キングダムハーツ』の最後に王様と世界の扉を閉じたところで途絶えていた。目覚めて真実を知るより眠っていた方がいいと、アンセムの声がする。
リクはそれでも目覚めを選択し、リクの記憶から作り出されたカードを手に取った。すると忘却の城にたどり着いた。

【忘却の城 地下12階】

地下12階でカードを使い、リクは記憶の中のホロウバスティオンに着いた。リクはホロウバスティオンでマレフィセントと過ごしたことを思い出した。
アンセムの声がして、リクが友達を捨てたと言った。確かに友達を捨てて闇に飲まれたが、今は闇を捨てたとリクは主張する。しかしアンセムは、捨ててばかりのリクの心には捨て切れなかった闇だけが残るという。

リクはマレフィセントと再会したが、それはリクの記憶から生み出された幻だった。マレフィセントを含む闇の存在をみんな倒すとリクは言うが、そうすれば最後には自分自身を滅ぼすとマレフィセントは言う。今のリクは闇の存在だからだ。

マレフィセントに勝利したリクの前にアンセムが現れ、リクの体を乗っ取ろうとした。リクは戦おうとするが、力が違いすぎる。そのとき王様の声がして、リクを励ました。リクが闇の底にいても光は届くと。
リクは立ち上がり、アンセムに勝利した。負けたアンセムはリクの記憶から作ったカードを渡し、リクの心の闇を強化した。強化された心の闇の力を使うかは、リクの意思で決めることができる。

忘却の城のどこかの部屋にゼクシオンがいると、レクセウスとヴィクセンがやって来た。ゼクシオンは、地下最下層に2つの匂いを感じるという。1つはマレフィセントによく似た偽者の匂い、もう1つは機関の指導者に極めて近い匂い。

【忘却の城 地下11階】

リクが自分の体から闇の匂いがすると気づくと、王様の幻が現れて励ましてくれた。どんなに深い闇の奥にも必ず光があるから、自分の中の闇と戦うんだと。

忘却の城のどこかの部屋で、ゼクシオンとヴィクセンが話していた。先程ゼクシオンが感じた、機関の指導者に極めて近い匂いはリクのものだった。リクは『キングダムハーツ』終盤で王様と闇の扉の向こうに消えたが、闇の力で脱出したらしい。キーブレードと闇の両方にかかわるリクにヴィクセンは興味を持ち、データを集めることにする。
そのころ忘却の城の上階では、マールーシャがナミネを利用してソラを操り、機関に反逆しようとしていた。マールーシャがソラを手に入れるなら、こちらはリクを手に入れればいいと言うヴィクセン。

【忘却の城 地下10階】

リクの前に、ヴィクセンが現れた。リクはアンセムの仲間かと聞くが、ヴィクセンは半分だけ正しいという。機関の指導者は、アンセムであってもアンセムではない「誰でもない者」だからだ。
リクは自身に闇を残しつつも、闇と戦うという。ヴィクセンはリクと戦い、リクのデータを入手して去った。

【忘却の城 地下9階】

忘却の城のどこかの部屋で、ゼクシオンとレクセウスが話している。ヴィクセンは先程入手したデータからリク=レプリカを作っているらしい。
マールーシャ達地上階にいる機関員をゼクシオンは信用しておらず、ソラがマールーシャの操り人形になったら危険だという。マールーシャがソラを手に入れつつあることをヴィクセンに話し、面倒を引き受けてもらうことを提案するゼクシオン。

【忘却の城 地下8階】

リクの前に、リク=レプリカが現れた。リク=レプリカは「ヴィクセンに作られたお前のレプリカ」と自己紹介する。
リクは自身の闇に怯えるが、リク=レプリカは闇を受け入れて使いこなす。だからリクはレプリカに勝てない、と言うレプリカ。
リクがレプリカと戦って勝利すると、レプリカは逃げていった。

忘却の城のどこかの部屋に、リク=レプリカが戻った。ヴィクセンが本物と戦った感想を尋ねると、本物はただの怖がりだと答えるレプリカ。
本物と戦って自身をつけたリク=レプリカは、リクもソラもまとめて消してやるという。

【忘却の城 地下7階】

リクがリク=レプリカを探していると、アンセムが語りかけてくる。アンセムいわく、闇を受け入れるレプリカはリクの本来あるべき姿。今となっては、闇を恐れる本物のリクこそが偽物かもしれないと言う。
リクはそんな手には乗らないといい、闇と戦い続ける。

忘却の城のどこかの部屋に、ヴィクセンが現れた。ヴィクセンはソラとリク=レプリカを実験的に戦わせ、リク=レプリカの性能を試したいという。アクセルはヴィクセンにソラの記憶のカードを渡した。
カードにはデスティニーアイランドの記憶が入っている。カードとナミネの力があれば、リク=レプリカの記憶を書き換えることができる。ソラの実力を試すために、リク=レプリカの記憶を本物と同じものにし、自分が偽物であることも忘れさせることになった。
本物のリクは闇を怖がる弱虫だから、本物の心などいらないというリク=レプリカ。機関員達に抵抗するが、記憶を書き換えられてしまう。

【忘却の城 地下6階】

忘却の城のどこかの部屋にナミネとラクシーヌがいた。暗い顔をするナミネに、リク=レプリカがパオプの実のお守りを見せる。ナミネはカードを嘘の記憶でくるみ、パオプの実のお守りに変えていたのだ。ソラのサラサ貝のお守りをパオプの実のお守りに変えたときと同じだ。
ラクシーヌは、ソラがカイリのことを忘れてナミネの思いのままになると言う。しかしナミネは、どんなに記憶を変えてもソラはカイリを忘れないという。

【忘却の城 地下5階】

忘却の城のどこかの部屋で、ゼクシオンとレクセウスが話している。ヴィクセンがソラに倒され、アクセルによって殺されたらしい。
ヴィクセンを倒すほどの勇者ソラが、機関への反逆を企むマールーシャの操り人形になるのは危険だ。マールーシャ達がソラという光を手に入れるなら、レクセウス達はリクという闇を手に入れようということになる。

【忘却の城 地下4階】

リクの前に、レクセウスが現れた。リクは闇を支配する者になれるとレクセウスは言うが、リクは拒否して戦う。
リクがレクセウスに勝利すると、レクセウスが消滅して周囲が闇になった。アンセムが現れてリクの心を支配しようとするが、王様が助けに来てくれた。
リクが気がつくと、忘却の城に倒れていた。アンセムと王様は消えていた。

忘却の城のどこかの部屋で、ゼクシオンとアクセルが話している。機関員のうち、ヴィクセン・レクセウス・ラクシーヌが消えた。次に消えるのは誰かという話になる。
次に滅びるのはマールーシャだとアクセルは言う。ソラを利用して機関に反逆しようとしたマールーシャは、ソラの手で消されると。反逆者マールーシャが消されるなら、ゼクシオンがリクを手に入れる必要もなくなる。リクを始末することになった。
レクセウスを倒すほどのリクと戦うのは危険なので、リクの記憶を利用して始末するらしい。

【忘却の城 地下3階】

忘却の城の地上階では、マールーシャがソラに倒されていた。

リクの前にゼクシオンが現れた。アンセムの影を宿すリクに、ソラに会うのが恥ずかしくないかと尋ねるゼクシオン。闇を宿すリクは、ソラと敵対する運命にある。そう言ってゼクシオンは、デスティニーアイランドの記憶のカードをリクに渡した。

カードの力で記憶の中のデスティニーアイランドに進むリク。浜辺を歩いていると友達のワッカ・セルフィ・ティーダを発見するが、リクが駆け寄ると3人とも消えてしまう。カイリにも会うが、リクが声をかけるとやはり消えてしまう。
リクはこれまで、忘却の城で記憶のカードから作られた世界を進んできた。そこで出会った者は、闇の存在だけだった。その理由は、リクの心に闇の記憶しか残っていないからだ。
ゼクシオンは、友達を一度捨てたリクの心から故郷の思い出は消えたという。過去に闇の扉を開き、デスティニーアイランドを滅ぼしたのはリクだ。過去のリクは、ダークサイドに姿を変えた。
リクがダークサイドを倒すと、偽物のソラが現れて攻撃してくる。ソラがキーブレードの光でリクを消そうとすると、カイリの姿をしたナミネが現れた。ナミネは、光と闇が共にリクの力になるという。光のない闇の底でも、強すぎる光の中でも闇がリクを導くという。
リクが闇の力を使うと、偽物のソラがゼクシオンに変わった。リクに負けたゼクシオンは逃げていった。

忘却の城のどこかの部屋に、アクセルとリク=レプリカがいる。本物のリクに負けて、ゼクシオンが逃げてきた。
アクセルはリク=レプリカに、本物になりたいか尋ねる。本物になりたいというリク=レプリカ。
本物になりたいなら、本物のリクにない力を手に入れればいいというアクセル。そうすれば、レプリカは誰でもない本物の存在になれる。リク=レプリカはアクセルに言われるまま、本物の力を得るためにゼクシオンを殺した。

【忘却の城 地下2階】

カイリの姿をしたナミネの言葉で、闇に心を開いたリク。闇が深まるにつれアンセムの力も強まり、アンセムはリクの体を操ろうとする。
そのとき、王様が助けに来てくれた。王様はアンセムを光の力で封じ込め、アンセムがしばらく出てこられないようにした。
王様との再会を喜ぶリク。『キングダムハーツ』終盤で王様は闇の世界にいたが、カードの力でリクの元にたどり着けたという。王様はリクにカードを渡した。

王様が渡したカードで、リクはトワイライトタウンの世界に進んだ。トワイライトタウンはリクの記憶にはなく、リクは不思議がる。
王様に何か知っているか尋ねると、王様はいなくなっていた。代わりにアンセムが現れたが、このアンセムは偽物だとリクはいう。リクの心の中にいるアンセムとは匂いが違うと。
偽物アンセムは正体を現し、ディズと名乗った。リクは光と闇の中間点に立つ特別な存在だとディズは言う。リクはナミネに会い、何かを選択しなければならないらしい。そう言われても、リクはナミネが誰だか分からない。

リクの前に、リク=レプリカが現れた。リク=レプリカは、本物のリクが闇を怖がらなくなったことに気づく。レプリカは、相手のリクが本物であることをうらやましがった。レプリカである自分は、ゼクシオンを殺して得た新しい力も含めて全てが偽物だという。本物のリクが存在する限り自分は偽物のままだからと、リク=レプリカは本物と戦った。負けたリク=レプリカは消滅した。

リクは、ナミネがソラの記憶を回復させている部屋にたどり着いた。ナミネを見て、先程のカイリが実はナミネだったと気づく。
装置で眠るソラを見て驚くリクに、ナミネがこれまでの経緯を説明した。ソラが本当の記憶と忘却の城の記憶の選択をしたように、リクにも選択があるという。
リクの選択は、心の闇を忘れるかということ。ナミネの力で心の闇を忘れれば、アンセムはリクの心から出られない。闇を封じ込めて昔のリクに戻れるという。
『キングダムハーツ』の最後でリクは、ソラにカイリのことを頼んだ。それなのに、ナミネの力に頼って装置で眠り続けているソラ。ソラが目覚めたら、リクが叱ることにする。だからリクは、自分もナミネの力に頼るくらいならアンセムと戦うという。アンセムが操る闇に飲み込まれても、闇がリクを導くという。

リクがナミネとソラの元から去ると、王様とディズが現れた。王様は以前にディズと会ったことがあるような、ないような気がするという。
ディズはリクにカードを渡した。このカードを使うと、リクの心の闇を引きずり出してアンセムと戦うことができる。

【忘却の城 地下1階】

王様は一緒にアンセムと戦おうと言うが、リクは一人で戦うという。リク自身の力で決着をつけないと意味がないからだ。
もしリクがアンセムに負けて手先にされたら、王様の力で俺を消してくれと頼むリク。王様は、リクのことを消さずに必ず助けるという。

ディズがくれたカードを使い、忘却の城を進むリク。
アンセムが現れ、闇を受け入れたのにどうして自分に逆らうのかとリクに問う。アンセムとリクは同じ存在なのに、なぜ逆らうのかと。それでもリクは、自身の闇とではなく、アンセムとの戦いを選ぶ。
リクはアンセムと戦って勝利した。アンセムが消えて周囲が闇になったが、王様が現れてリクを光に導いた。

リクと王様は忘却の城に戻った。リクは自分の体からアンセムの匂いがかすかにするというが、王様はリクの闇はリク自身のものだという。
王様はこれまで、闇はあってはならないと思っていた。しかしリクと一緒にいるうちに、光と闇の先にあるものを見たいと考えが変わった。王様とリクは一緒に旅立ち、忘却の城に行く前にソラ達が歩いた夜の草原を歩いていた。
十字路にディズが立っていて、光への道か、闇への道かリクに選択を求める。どちらでもない夜明けの道だと、リクは答えた。

[KINGDOM HEARTS ストーリー(キングダムハーツ COM[チェイン オブ メモリーズ])]

スポンサーリンク

スポンサーリンク

PR